少女Aのプリンセス修業時代

旦那さんの仕事の関係で、京都に移住した大学の同級生とフェルメール展を観に行った。
うちの3番目と同い年の子どもがいるので、お互い子連れで行ったのだけど、美術館に連れて行けるのは1歳までだな、と思った(上2人はパパが夜、仕事帰りに大阪まで連れて来て合流した)
抱っこ紐の中に入れて、美術館やカフェに行くのはできるけど(ミルクを飲ませておけば寝てるから)子どもが動き回るようになるとムリだ・・・。
というわけで、ねんね期2人を連れて、友だちと久しぶりに美術館に行けて(しかも、いい天気だった)楽しかったな、という話。

フェルメールの作品の本物を観たことがなかったので、勝手に一人で大阪日帰り計画を立てていたのだが、夫にどうせならみんなで行こうと言われ、翌日は家族でUSJに行った。
今、長女A子(仮名)がアリエルとかソフィアにはまっているので、ディズニーランドの方が喜びそうだったけど。
今までA子はアンパンマンとミニオンの世界にいたのに、急にディズニーのお姫さまたちに夢中になった。
夫の従兄がくれた絵本の中にソフィアの本があって、2才児が読むには文字が多いのだが、それを読めと何度もせがんでくる。
「小さなプリンセス・ソフィア」自体は放送が終わっているので、アマゾン・プライムで見せたら、とにかくずーっと見てる。
次女B子(仮名)もアンパンマンのDVDを見せろとせがむけど、そこまで集中力がなくて、途中で遊んだりするんだけど、A子は一つのことにはまるとずーっとそればっかり。
今はとにかく、ソフィアとアリエル。
私が子どもの頃、お姫さま系にはまらなかったのでなんとなく不思議な生き物を見ている感じ。
私が子ども時代、読んだ絵本の作者(かこさとしとか「すてきな三人組」の作者)が相次いで亡くなって、感慨深いものがある。
私が好きだった絵本を子どもに買っても、あまり興味を示さない・・・。
趣味の違いがあるらしく、A子はピンク!キティちゃん!大好き!みたいな子で、甘えん坊でワガママ(イヤイヤ期だからっていうのもあるんだろうけど)、B子は白米!アンパンマン!みたいな子で、クラスで一番でかい子(春生まれでもないのに)。
そして、泣いてる子をトントンしたり、スタイを拾ってあげたりする面倒見の良い子で(次女だけど長女っぽい性格みたい)、どちらにせよ母親(私)より女子力高い人になりそうだな~と思って見てる。

フェルメール展はどうだったかというと有名&人気作家なので、平日でも激混みだったけど、点数が少なくて、フェルメールと同時代の画家との展示構成だった。
殆どアムステルダムの美術館から借りて来てるオランダの画家なんだけど「誰も知らないよね・・・」っていう感想。
そして、その時代の流行りで、全部フェルメールっぽい感じ。
私たちがフェルメールを見慣れてるから、そう思うだけで、それぞれ特徴はあるんだろうけど。
小さくて、上品で、静謐な雰囲気の飾りやすい絵。
フェルメールの作品が全部小さいのも家に飾ることを想定して描かれたからだ。
フェルメール自体は宿屋を生業としていて(親の稼業を継いだ)、11人の子どもがいて(生き残ったのが11人で夭折している子も沢山いる)、生活に追われた画家だ。
しかも、43歳で亡くなって、奥さんはその後、金策に走るが破産している。
フェルメールの絵からはそんな生活苦は感じられず、高価な絵の具を使い(ウルトラマリンはラピスラズリが使われている)、ロマンティックな雰囲気と優しさと丁寧さ(瓶とかステンドグラスとか超上手い)で描かれている。
久しぶりに美術館に行くと現実逃避できて(別に、逃避したいわけじゃないけど)いいな、と思えた。
フェルメールも絵を描いている時は宿屋の経営や子どもの世話から離れて、小さな画面に宝石を鏤めるように自分の世界に没頭できたんじゃないかな。
フェルメール展は大阪市立美術館で5月12日(日)まで。