キャッシュレスへの不安

近所のスーパーでキャッシュレスにするとお得キャンペーンをしていて、毎日使うからそのスーパーのクレジットカードを作った(専用のカードじゃないとポイントがつかない)。
私はデパートでクレカを勧める側の仕事をしていたことがあるので、カードの恐ろしさはよーく知っている。
そのスーパーで「今なら2000円券がついてくる!」とかやってて、どこも同じだなと思った。
申し込みは決心が揺るがないようにその場でさくさく進め、さらっと「リボ申し込んでおきますね~」と言われ、ちょっと待て、となった。
リボ払いに変更できるようにしておくんじゃなくて、最初からリボ払いにするってこと??
どっちにしろ、リボ払いは借金地獄への入口である。
クレカは欲しい物が何でも手に入る魔法のカードではない。
あとで、支払うだけだ。
キャッシュレス化がお得なんてまやかしだ。
現金払いがいいに決まってる。
いくら使ったのか、今財布にいくら残っているのか、現金ならすぐわかる。
現金がないなら使わなければいい。
今更、スマホの課金とかカードで買い物して失敗とかしないと思うんだけど、ある日、突然脳がバグって買い物依存症とかになっちゃったりするかもしれないし。
「便利なものだ」じゃなくて「使い方を間違えると危ないものだ」ぐらいに考えておくのが丁度良い。
あと、高い時計とかバッグとかは分割して買えば良いという考えも私は反対で、分割手数料どれだけ取られているか計算してみろと言いたい。
分割して買わないといけないものは「身分不相応」なものとして諦めた方がいい。
(例えば、若い人が店を開くとか家を建てるとかそういうケースを除いて)
あと、私が昔見たカードのダメな使い方としては、給料前で現金がないからって飲み会の支払いを全部自分がカードで払って、割り勘にした現金を集めるとか、クレカで現金を借りるとか(20万くらいまでなら借りれるけど、利子が高い)。
ないならないなりの生活をすればいい。
そもそも、飲み会なんか行かなきゃいいじゃん。
学生の時、家賃5万のところに住んでいたけど、仕送りが月2万(4年間ずっと)で、バイトで生活費を稼いでいたんだけど、あとで訊くと周りは月15万くらい貰っていたらしい。
驚愕の事実を当時の彼氏に言うと、自分もそれぐらい貰ってるし(実家が東京にあるのに何故か一人暮らし)、それプラスバイトで8万くらい稼いでるけど、毎月マイナスになっている、と言っていた。
何に使ってたかというとスキーとか自分の遊び中心で(車は親のを借りて)、私には学生だからっていつも割り勘で誕生日プレゼントも明らかに安物で、他の女の子と遊びに行ったり、他の女の子に私の悪口を言われ、結局別れた。
殴られたりとかはしてないんだけど、今まで会った人間の中で一番嫌いだわ。
それが手越みたいに明らかにチャラいならつき合わなかったんだけど、容姿はフツーだった(イケメンとかではないけど、自分ではイケてると勘違いしてた)。
だから、フツーの人だと思って、(その前がフツーの人ではなかったので、今度は多少つまんなくても我慢してフツーの人とつき合って)フツーの結婚をしようと思ったら、男友だちに「いや、そいつは普通じゃねぇだろ」と言われた。
「茶碗に米粒残したから別れるとか、バカじゃねぇの。ネタだろ」と言われ、ちょっとスカっとした。
(茶碗に米粒だけじゃなく、壁にもたれていたとか、ずっと粗探しをしていたそうだ。自分も大した男でもねーくせによ!←本音)
今、ダンナに寿司とか奢ってもらうと、「幸せだな~」と思うので、辛かったことも過ぎてしまえば、ただのスパイスになった。
10年以上前のことなのに、そいつにblogをアダルトサイトに貼られたり、SNSで気持ち悪いドクロ送られたり、下らない嫌がらせはされてるけど「よっぽど暇なんだね!私は毎日忙しいし、幸せだよ~!アハハハ!」って心の中で高笑いしてる(笑)
まぁ、うちの親もどうかと思うけど(習い事一切させないとか、仕送り毎月2万とか)、それで、結局使うところと使わないところを考えるようになったわけだし、他人のお金の使い方も見えるようになったので、逆に良かったのかもしれない。
ただ、私の考えとしては、教育費はかけてもいいし(子どもの習い事とか、自分の勉強のための本とかは未来への投資)、仕送りは多すぎない程度にあった方がいい。
私はベビーシッターとかやっていたけど、水商売とか愛人やったりする同級生もいたので(でも、その子ら実家が裕福なのにやってたけどね)、我が子はそういう割のいいバイトに流れて欲しくない。
別にうちの親は毒親でもないけど、母親がすごいケチで、父親が浪費家で、この間、父に「実家のトイレ直したいから100万貸して」と言われ(返すあてもないのに)、うわっと思った。
父親がお金のある所から借りて返さない(返す意思がないわけではなく、貸した人が「返さなくてもいいよ」っていうような人ばかり。伯母とか祖母とか)のを知っていたので、ついに娘にまで来たかと。
しかも、私が安定した職に就いたので、ここならあるだろうと見計らってる(弟はお嫁さんに財布の紐を握られているからお金はない)。
もう商売辞めたから回転資金いらないと思ったら大間違いで、使う人は次々使うことを思いつく。
もはや、反面教師にするしかなかろう。
逆に、両親教員とかだったら、今頃私は雑貨屋とかやってるような気がするし。

 

村上春樹の「猫を棄てる」を読んで、ああ、こんな立派なお父さんでも親子の葛藤があったんだな、と思った。
村上さんはあまり親のことを書いたりしなかったけど、河合隼雄との講演で「自分の両親は国語の教員で、朝食を食べながら、源氏物語がどうこうと話していて、子どもとしてはそれがとてもしんどかった」というようなことを言っていて、私は「それの何がしんどいの??」と思った。
あまり書くとネタバレになるけど、村上さんのお父さんはお坊さんになる学校に行って(お寺の次男だったから)、手違いで戦争に駆り出され、その後は京大に行き、院の途中で息子が生まれたから中退して教師になったらしいのだが、なんかもうお父さんの人生が既に文学的じゃないか。
私はインテリで素敵なお父さんだわと思ったけど、春樹さん的にはそういう日本文学みたいなのって苦手なのよね、きっと。子どもが生まれたからって文学の道を諦めるのも自己犠牲みたいだし(現実的なだけだと思うけど)。
お父さんも口では言わないけど、こんな恵まれた環境なのに、なんでこいつは勉強もせずにジャズだのデートだのと言ってるんだと思うのよね。
みんな多少なりとも親を見て「こうはなるまい」と思うんだなと思った。
自分は違う道に行こう、と。
いや、うちと村上さんちでは次元が違うけど。