日本で売っている最大サイズ80㎝のローラー幅の銅版用プレス機を買ってしまいました・・・。
こんな立派な工房も、こんな立派なプレス機も私には勿体ないような気もするが、買える時に買っとこう!
リトグラフの大型プレス機は知り合いの知り合いの知り合いから貰って、リトグラフ用の紙の特大判サイズが刷れていたのだけど、そうなってくると「銅版も大きいの刷りたいな」と思ってくるのが人の心情である。
今まで使っていた銅版用プレス機はローラー幅が60㎝で、最大45×60㎝の版まで刷れていたので、それで充分っちゃ充分なんだけど・・・いや、もっと大きいの刷りたいな、と。
そうなってくると、紙を湿らすスペースと腐蝕液を入れるバットも変えなきゃいけなくなる(版サイズに合わせて)。
うーん、うーん、でも、欲しいなと悩んでいたところ、実母が病気になりあれこれ世話を焼こうとしていたが、何をあげても修行僧のように「あれもいらない」「これもいらない」と解脱していき、ああ、欲しいものがある内に、やりたいことがある内にやらないといけないな、と感じた。それに、鳥取に帰ってちょうど10年経って、この10年私頑張ったよなと記念に「エイヤー」と買ってみた。
受注生産なので、注文から1ヶ月ぐらいかかって、作った人が運んでくれたのだが、以前リトプレスを設置してくれた人だった。日本で唯一大型プレスを個人で作っている方なんだけど、結構年配の方なので、引退する前に作ってもらって良かった。今まで使っていた銅版プレスもリトプレスも頂き物なのだが、今回のプレス機は自分が注文したのでこういう機能が欲しいとか自分でカスタマイズできた。
医大入試で男を多めに取るように操作されてたっていうけど、美大も受験生は女子が多いから「積極的に男をいい点数つけてる」と教授が堂々と云っていた。理由としては「女の子は結婚したら制作をやめちゃうから、作家が育たない」というものだった。私は「変なの。結婚したら、制作しやすいんじゃないの?仕事やめて、専業主婦になったりしたらさ」と思っていたが、そんな制作に寛大な家なんかそうそうないわけ。私が作家活動していたら不機嫌になるような人と結婚していたら、制作できなかったんだな。良かった、家にこんな大きなプレス機置いても何も云わない人と結婚して。